去る7/5、独立記念日の翌日、日本人の友人夫妻に誘われて、カジノへ行ってきました。地元レドモンドから車でおよそ1時間くらいでしょうか。オーバーンという場所にある「Muckleshoot Casino」(マックルシュート・カジノ)です。そう言えば私、カジノって来た事ないわ、と思いました。
「“ワシントン州最大のリワード(報酬)”で人気が高いのが、アーバンにある「マックルシュート・カジノ」。ネイティブアメリカンのマックルシュート族が1995年にオープンした老舗のカジノだ。球場を思わせるほど広大な建物内にはスロットマシンだけでも3000台、テーブルゲームも100台あるほか、ポーカールームは州最大ともいわれる規模を誇る。」そうなんです。マックルシュートはいわゆる"インディアン・カジノ"と言って、地元のネイティブアメリカンが経営するカジノなんです。 日本にはカジノもないし、北海道のアイヌ以外には先住民がいませんので(多分)、カジノとネイティブアメリカンの関係性は私に取っては全く新しいコンセプトでした。
インディアン部族にとって、カジノ経営は主要な経済収入のひとつだそうで、保留地(リザベーション)が狭く不毛な地である場合、唯一の収入源となっている場合もあるそうです。私たち日本人には理解しにくい部分もありますが、この保留地、リザベーションと言うのは、そもそも、開拓時代に白人がインディアンとの土地問題を解決するために作った契約上の土地(リザーブ)という意味のリザベーションで、いつかそのリザベーションが解消され、土地を追われる日が来るとも限らないよという意味らしいです。(意味分かる?)
そんで、このリザベーションの中というのは、また特殊な空間でして、アメリカ合衆国法、州法などが及ばない、独自の法律が存在してたりして、リザベーションを「ネイション(国家)」とか「インディアン自治区」と呼んだりします。法律や税率が違うので、アメリカ人や、我々アメリカに住む人間はリザベーションへ買い物に行く事も出来ます。
白人はリザベーションに自治権を持たせる代わりに、年金として、食料や酒を与えたそうです。インディアンには元々飲酒の習慣がなかったため、ネイティブアメリカンのアルコール依存症は現在でも深刻な問題となっており、完全禁酒を掲げる部族もいるらしいです。
リザベーションには独自の法律があると言いましたが、カジノ経営は、部族と州との交渉を経て、合衆国の法の下で経営されます。もし州がインディアン・カジノの経営を許可しなければ、その州のインディアンはカジノを経営できません。また、カジノ経営ができるのは連邦政府が公式認定した部族のみです。というのは、19世紀以降、連邦政府はインディアンに対して「絶滅政策」をとっており、絶滅認定されたインディアンはそもそもカジノ経営は出来ません。※簡単に言うと連邦政府による「血が薄まった」という理由から部族を解散させられ、リザベーションを取り上げられる政策(酷い!)
さて、そんな儲かってるマックルシュート・カジノは超〜巨大な一大施設で、誰もがタバコ吸い放題(アメリカへ来て初めてです。こんなにみんながタバコ吸ってる場所は。)、禁煙エリアもこれまた巨大!ポーカーエリアはさながら巨大雀荘の様でしたw 例に漏れず、施設内には一切窓がなく、今が朝か夜かも分からない。コンサート会場ではバンドの演奏、レストランでは選ばれし勝者(?)が分厚いステーキを食べているという、まあ非現実です。
諸々の事情を鑑みながら、マックルシュートの超巨大な施設を歩き回り、一通り遊んで外へ出ると、マックルシュートの近隣に位置するこれまたマックルシュート族の花火工場から大量の花火が打ち上がり、「独立記念日だな〜」なんて妙な感慨に浸ってしまいました。
※ワシントン州の多くの都市では個人による花火の購入や打ち上げは違法です。が、マックルシュート族は花火の生産や、リザベーションでの販売も許可されているそうです。
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