アメリカ人とイタリアンフード

先日誕生日のお祝いで、オラが街レドモンドのちょっと良いイタリアンレストランに連れて行ってもらいました。

平日の夕方にも関わらず、店内は混雑しており、東京のシャレたイタリアンレストランと違い、雑然とした雰囲気がむしろ良く、オーナーと思われる年配のイタリア訛りのおじいさんが、ウロウロと出てきて、「はい、並んだ事は認識しましたよ」と言うので、外のテラスでぐったり(空腹)と順番待ちをしました。テラスでは他にも7〜8人ほど(2家族)ほどがワインを飲みながら入店を待っているようでした。

アメリカはどこへいっても誰もがカジュアルで、本当に渡米してから一度もスーツ姿の人間を見た事がないような気がするくらい、誰もがビーチサンダルにショートパンツ、タンクトップにサングラスなのです。(一回インドレストランで食事してたらスーツ姿の集団が入って来たんですけど案の定日本人でした。)車で通りに出れば、男性が上半身裸というのもまず珍しくありません。日本人である自分としては、ちょっと良いレストランに行くんだから、スニーカーじゃまずいかな。。とつい気負ってしまいますが、大丈夫。こっちじゃどこでもみんなが半裸でリンゴかじってますからね。

さて、席に通されてパンとオリーブオイル、バターが出てきました。オリーブオイルのソースうまい。期待が高まる。シンプルなサラダ、カラマリソテーの前菜、ピザ、全部ちょーー美味しい!ボーノx100!!ここは名店の予感ですぞ。パスタは本日のお薦め、「パスタペスカトーレ」。

出て来た瞬間「ん?」何かもう食べなくても見ただけで分かる雰囲気なんですけど、パスタこれ茹ですぎてるよねえ。麺が全体的に白くボヤーってしてるんですよ茹ですぎてるから!うーん。ソースは超うまいのに。麺の不味さがソースのうまさを凌駕しております。残念ながらほとんど食べられず(涙)期待が大きかったので、本当に悲しかった。その一方で小学校のときの給食を思い出したけど。「このぶよぶよした感じ・・・給食!懐かしー」ていうか、やっぱりアメリカでうまいパスタは食えんのだな・・・。

とにかくどんな時でも人に物を聞きたがらないダンナサマーもこの時ばかりはウェイターに「あのーこの麺の硬さってアメリカでは普通なの?日本だともうちょっとアルデンテっていうの?あんな感じの硬さなんだけどさ・・・。やっぱりこの感じってアメリカ人にあわせてるんだよね・・・アルデンテ出来ない事はないんだよね・・・あるよねアルデンテ。ねえアルデンテって知ってる?アル(略」と苦言を呈しておりました。ダンナが自ら声をかけるって、よっぽどガッカリしたんだろうな・・。

その後私は気持ちを少しでも上向きにすべく、デザートメニューを眺めておりました。すると脇から自家製ティラミス大盛りが突然置かれ、「ファーストビジットのサービスです」とウェイター。その後すぐにオーナーと思われるおじいさんがやって来て、アメリカ人はアルデンテが好きではないこと、アルデンテは言ってくれればサーブできる事などを説明してくれました。そしてあなたたちはどこの人?など一連の世間話をして、今度はアルデンテ頼んでね、と言って去って行きました。ちなみに自家製ティラミス悶絶するほどうまかったです。

私がアメリカで寿司を握っているとしよう(急に?)。アメリカ人はワサビと海苔が嫌いなので、私の寿司屋にはワサビも海苔もありません。そこへ一組のイタリア人がやってきました。いくつかの料理を楽しんだ後の帰り際「大体良かったけど、ワサビと海苔がない寿司は寿司と言えるのか」と苦言を呈して去って行く。涙を流して見送る私。・・・みたいな事ですか(違います)

帰って来ていろいろと調べたら、本当かどうかは分からないけど、日本には古くから蕎麦のコシという概念があり、硬さの好みもいろいろです。ラーメンもしかり。カップラーメンとかインスタントラーメンも少し早めにあげるとか、そういうこと全般アメリカには存在しない概念ですから、アルデンテが全く理解できないんだって。マジなのかアメリカ人。あとこれは余談ですけど、アメリカ人をはじめとして、欧米人は麺をすする事ができません。ラーメンとかアムアム アムアムって食べます。これ結構萌えるよ。

という訳で、不完全ながらアメリカで美味しいイタリアンレストランを見つけたかもしれないという話でした。