草間彌生70周年の巡回展 Kusama Yayoi Infinity Mirrors へ行って来ました。

9月7日よりHawaiiに住む友達が数日遊びに来て滞在して行きました。20年来の友達で、彼女は10年近く前にアメリカに移住してアメリカ人の旦那さんとともにハワイで暮らしています。同じアメリカに住んでいても、ハワイはアメリカ本土からは意外と遠く、6-7時間飛行機に乗るなら日本に帰るか、となりがちな土地・・・。日本に帰っても会えるわけではないので、今回の友達の滞在を私はとても楽しみにしていました。

さて、今回草間彌生の巡回展がシアトルにやって来ると知った時には「とりあえず行っとくか」という軽い気持ち、後にSeattle Art Museum 開館以来の人出と聞いて前売り券を買わなかった後悔と「そんなに人が押し寄せてるならちょっと行きたくないなあ」とトーンダウン、そしてSeattleでの巡回展も終盤、ニュース記事やブログ記事をチェックすると、多くの人が「随分並んだけど、それでもまた行きたい。」という感想を書き連ねているのを見て「だよなー、せっかくだし見ときたいよなー」とまた気持ちが少し盛り上がり、心中上がったり下がったり、悩ましく思っていました。





今回Hawaiiから友達が来る日程が、巡回展の最終週ということで、友達に「13年ぶりに草間彌生一緒に見に行かない?」と打診したところ「ぜひ行きたい!」との返事。
13年前、六本木ヒルズでオープンしたばかりの森美術館で草間彌生の展示会、クサマトリックス Kusama Yayoi Exhibition KUSAMATRIXを一緒に見に行ったのは他でもないその友達でした。
前売りを買いそびれてすでに当日券で観て来たという友人に事情を聞くと、朝8時から並んで50人目、10時の開館で10:45の入場券が買えたとの事だったので、7:30くらいから並んで、昼くらいの入場券が買えたらいいなという見積もりで行きました。

7:35 Uberで乗り付けるもすでに長蛇の列。
9:05 急に列が動きだす。

10:11 おそらく当日券の受付が始まり、再度列が動かなくなる。犬も並んでるよw

10:41 並び始めて3時間、ついに受付見えて来たーw

11:10 当日券ゲット!なんと5:15の回!見積もり甘かったーw

5:13 Seattleを6時間ほどぶらぶらw でも観光がなかなかいい時間つぶしになりました。
というわけで、大幅な見積もり違いもありつつも、私たち無事にInfinity Mirrorsを見ることができました。
3時間半並んだけど、正直あっという間でした。久しぶりの友達との時間、まるで20年時を遡って、東京にいるような気分でした。話も尽きない。
そして何よりアメリカ人はすぐに人に話しかけて打ち解けておしゃべりを始めるので本当に退屈しなかったw
前に並んでいたのはフィラデルフィアから来たリタイアした旅行中夫婦、草間彌生のD.C.での巡回展を見逃したので、ちょうど良かったとのこと。孫や東海岸の税率、化粧品や寿司の話などをした。
後ろのインド人は一人で並んでいたけど、妻と子供のチケットを買って後で一緒に来るとのこと。その後ろの若い二人組はフィラデルフィア夫婦にSeattle Libraryの場所を教えてた。
少し前にはコーギーを連れた若い男性二人組。一人は大学で日本語を勉強してたと言って、最後の最後に日本語で話してくれました。まるでチームの連帯感を感じつつ、チケットを購入後は何か別れるのが寂しいようなそんな気分で手を振りましたw


今回の展示ではそれぞれテーマと時代別のインスタレーションを5つの小部屋に分けて設置し、密閉された空間で作品を楽しむという方法で作品を見せています。
美術館やアーティストは作品のクオリティを守るために、一つの部屋には最大3名、最長で30秒しかいることができません。
小部屋のインスタレーション以外にも作品は飾られていますが、この5つの部屋にはもちろん長蛇の列、私がいた時では45分待ちという表示がありました。
本当に大人気。当日券を3時間半かけてゲットし、6時間時間を潰して会場に入り、中では45分待ちのインスタレーションを5つ見るんですよ!最終日だからかもしれないけどね。

今後もロスやカナダでこの巡回展は行われる模様ですが、Seattleでこの調子だと他の美術館でも"開館以来の動員数"を記録しそうな予感ですね。
私の感想は・・・まあ良かったですが、こんな感じだとアーティストの意図した見せ方ができているのかちょっと疑問に思います。13年前のKUSAMATRIXも確かに人出はすごかったですが、もう少しきちんと作品を鑑賞できたような気がします。今度日本に帰った時には新宿に草間彌生美術館がオープンしていると思うので、そこにいくのも良いかなー?

しかし草間彌生88歳だって。ポップな水玉模様がとても特徴的ですけど、かなり暗い雰囲気のネガティブな作品も目につきました。病気に苦しんだ本人の人生を思うと、メインはそういう作品で、ポップであるという受け取りは見る側が勝手にしているだけで、本人はそういう意識はないのかなあと思います。疲れた体に暗い雰囲気の作品はこたえたよ。